26日が発売日だったはずですが、すでに売っていた(ライトノベルにはよくあること)ので購入、読了しました。以下感想です。なるべく未読の方に配慮した文章(というより、未読の方に薦める文章)にしたつもりですが、内容に触れる部分もあるので気になる方は閲覧に注意してください。
乙一先生が4部のノベライズをなさるという話を聞いたとき、いくらご本人がジョジョ好きといっても作風が合わないんじゃないかと思った一方で、乙一作品と4部は「日常の中の異常性」という点で通じるものがあるので以外と合うかもしれないとも思ったのですが、前者の不安は杞憂でした。もう一つの不安要素だった戦闘描写も、知略を尽くしたジョジョらしいものになっていて、「ドドド」という音が聞こえてきそうな迫力がありました。原作にないオリジナルの話ですが原作らしさにあふれています。良質のカバー曲のような印象ですね。非常に良く出来たノベライズだと思います。
難点としては、漢字が少ないので少し読みにくいという点があげられます。JUMP J-BOOKS内の作品という位置づけや原作が少年漫画ということもあって仕方ないのかもしれませんが、それにしては装丁の豪華さや値段が少年向きとも思えませんし、原作の第4部自体10年以上も前に連載されていた作品ですし、マーケット戦略にブレがあるように思えます。
原作の登場人物や設定も登場するのでジョジョ第4部を知らないと話がわかりづらいかもしれませんが、そのぶん原作を知っているとニヤリとできる部分も多いです。ジョジョ好きな方はかなり楽しめるのではないでしょうか。